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外国人の為の法律問題Q&A | ||
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事例1.外国にいる配偶者との離婚A:本件の場合は夫(妻)に連絡が取れない為離婚調停を得ずに直接離婚の裁判をして訴状の送達は公示送達によるように申立てを行ないます。この場合は日本法が準拠法となります。日本で成立した離婚が、相手方の国においても有効なものと認められるかという問題があります。この点は、相手方の法制度によって結論が異なってくる為、一概には言えません。 事例2.離婚の要件・親権者の決定A:日本人と外国人の夫婦の離婚という渉外要素を含んだケースの場合、まず準拠法が問題となります。離婚の準拠法は @ 夫婦の本国法が同一の場合は、その本国法 A 夫婦の本国法が異なる場合は、夫婦の常居所地法が同一の場合は常居所地方 B 夫婦の常居所法も異なる場合は、夫婦に密接に関係のある地の法律 ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人である時は日本法が適用される事になります。外国人の母親が日本人の父親との間の子供を引き取って日本で養育したいと希望するケースが多くあり、その場合父親も子供の引き取りを希望すると問題の解決が困難となります。 事例3.在日韓国人などと結婚した外国人及びその子の在留資格A:永住者と外国人が結婚する場合に、その外国人は「永住者の配偶者など」という在留資格を取得する事が出来ます。そして、この「永住者」には、入管法22条により永住許可を取得したものが含まれる事はもちろんですが、入管特例法における「特別永住者」も含まれます。 したがって、在日韓国人の方と外国人の方が結婚した場合には、外国人の方の在留資格を「永住者の配偶者等」に変更する事が出来ます。この「永住者の配偶者等」の在留資格によって在留する場合は、日本において活動できる範囲の制限はなくなりますが、在留期間は3年、1年、6ヶ月であり、在留期間の更新手続きをしなければなりません。 また、在留韓国人の方は「特別永住者」ですから、外国人の方は、その配偶者として要件を緩和された形で「永住者」在留資格に変更する事も可能だと思われます。(入管法22条第2項但書)この「永住者」の在留資格によって在留する場合は、日本において活動できる範囲の制限はありませんし、在留期間の制限もありません。 入管法特例法4条による「特別永住許可」日本で生れた子は、平和条約発行日において日本の国籍を離脱した者の子孫であり、「上陸の手続きを得る事なく本邦に在留する事となるもの」にあたりますから、生れた日から60日以内に、市区町村に出頭のうえ申請して、「特別永住許可」を得る事が出来ます(入管特例法4条)。 そして、特別永住許可書が交付されます。(同法6条) 上記60日以内の申請期間を徒家した場合には、直ちに「特別永住許可」を取得する事は出来ません。この場合は「永住者の配偶者等」などの在留資格を一旦取得してから、入管特例法5条の「特別永住許可」を取得する事になります。同条の許可申請は、市区町村ではなく地方入国管理局に出頭しなければなりませんが、申請期間の制限はありません。 事例4.入管への収容と仮放免手続きQ:日本人の配偶者を持つオーバーステイの外国人が入管に収容されました。在留特別許可を得るまでの間、仮に解放してもらう事は出来ないでしょうか? A:本件の問題となるのは仮放免の取得です。身柄が収容される前の外国人が自ら入棺に出頭して違反事実を申告し、本人との婚姻を理由として在留特別許可を申請した場合、入管が直ちに身柄を拘束する事はあまりなく、通常は在宅のままで手続きを進めて、その後、収容と仮放免の許可を同時に行ない、事実上収容しないで手続きを進めるのが通常です。 しかし、自発的な出頭ではなく、警察又は入管の摘発を受けて現実に身柄が収容されている場合は、直ちに仮放免の申請を行なうのが通常でしょう。理論的には、仮放免の有無と在留特別許可は別の手続きなので、仮放免がなく収容されたまま、在留特別許可の手続きを進める事は可能です。しかし、誰でも収容の継続など望みませんし、収容が継続されたままでは、婚姻生活をより実質化する事が出来ず、在留特別許可が得にくくなるおそれがあります。 事例5.解雇A:使用者の被用者に対する「明日から来なくて良い」という言動は、原則として、解雇の意思表示にあたると考えられます。そして、解雇は法令上の制限があるのに加え、解雇権濫用の法理により制限されています。 ただし、場合によって「解雇」なのか「退職勧奨」なのか、また「解雇」なのか「有期契約の雇い止め」なのかが問題となります。退職勧奨の判例は「退職勧奨そのものは雇用契約にある者に対し、自発的な退職意思の形成をする事実行為であり、場合によっては雇用契約の合意契約の申し入れあるいはその誘因という法律行為の性格を併せ持つ場合もあるが、いずれの場合も被勧奨者はなんらの拘束なしに自由に意思決定をなしうるのであり、いかなる場合も勧奨行為に応じる義務はない。」としています。つまり、退職勧奨に対しては、被用者はそれに応じる義務はないのですから、働き続けたければ、はっきり断れば良いのです。 期間を定めた雇用契約でも、「期間の満了毎に当然更新を重ねてあたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態で存在していたもの」といえる場合があり、その時は「雇い止めの効力の判断にあたっては、その実質にかんがみ、解雇に関する法理を類推すべきである。」ことになります。また、最初の期間満了の際の雇い止めであっても、期間満了後の雇用継続を合理的に期待させるような契約であれば、信義則上、更新拒絶にはそれが相当と認められるような特段の事情が必要であるという裁判例もあります。 懲戒解雇が有効であるには、次のような要件が満たされる必要があります。 @ 懲戒事由と懲戒手段が就業規則に明記されている事。 A 懲戒規定は、企業の円滑な運営上必要かつ合理的なものであること。 B 平等な取り扱いである事 C 当該規律違反が、制裁として解雇を正当化できる程度のものである事。 D 適正手続きを経ていること 解雇予告手当て 使用者が被用者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前にその予告をしなければならず、そうでない場合は30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。 |
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